「私、実はゲイなんだよね。」
「え・・?」
その日は大学の友達のHとYと10年ぶりに会った日だった。
Yは男性、Hと私は女性で性別が違うけれど入学時からよく遊んでいた3人組だ。
Hから突然そう告げられて、頭が?でいっぱいだった。
「え・・?つまりHは男性だったってこと?」
全くLGBTについての知識がなかった私は頓珍漢な質問をしてしまったが、
そういうことではなく、Hは女性だが女性が恋愛対象ということだった。
どうもYには大学在学中から打ち明けていたようだが(HはYが同じく同性愛者だと勘違いしていたらしい)、ノンケの私には理解を得られるか不安で言えなかったということだ。
Hの告白を受けて、正直に言うと、自分でも驚くほどすんなり受け入れられた。
受け入れられたというよりも、「あ、そうなんだ。」くらいに何も思わなかった。
HもYも、パーソナリティが好きで友人になっていたので、性別や恋愛対象が何かは全くどうでもよかった。
ただ、私がどのような反応をするか読めないにも関わらず、迷いながらもカミングアウトしてくれたHの気持ちが有難かった。
カミングアウトをする前に、珍しく緊張した様子のHの表情が印象的だった。
その日を境に、Hは私とYに、LGBTの友人やよく行く社交場などを紹介してくれた。
Hが私たちにコミュニティを紹介してくれたことも嬉しいし、以前よりもHの事を知ることができて、より深い友人関係が築けた気がしている。
お互い学生の頃から環境も変わって頻繁に会うことは難しいけれど、これからもずっと2人と友人でいたいなと思う。
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