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  • 執筆者の写真アイスクリントン

胸まで揉ませて聞いた性別



「はじめまして、山田太郎です。魚屋だけど、好きな食べ物は肉です。」

「はじめまして、山田花子です。戸籍は女だけど、男です。」


私にとってはどちらもただの自己紹介だ。



数年前、私の勤める飲食店にすごくボーイッシュな女の子がアルバイトとして入ってきた。履歴書の性別欄は女に丸がついていたけど、性格や考え方、仕事のやり方が自分と同性とは思えなかった。


「女なんだよね?」という私のドストレートな質問に「え、あ、はい。」と答えたので、まあいいかと呑み込んだものの、それから数週間して

「〇〇ちゃんは化粧とか全然しないの?」とスタッフが何気なく聞いた。

「あ、そうですね。日焼けくらいですかね。」

20代半ばで、化粧をしたことのない女子…やっぱり何か私の中に違和感が残る。


何気なくそんなことを聞いたこのスタッフ、めちゃくちゃ巨乳。

私は最低人間なので、彼女の胸を触りながら「〇〇ちゃん、彼女めっちゃ巨乳やねん。触ってみて!」と言った。

すると、少し遠慮する様子は見せたものの割とすぐに「本当ですね、めっちゃ柔らかい。」と笑いながら触った。


こんな踏み絵のようなことをさせたので、流石の私もそれからは特になにも聞かなかった。


それから1ヶ月ほど経って、店の閉店後、すっかり忘れていた性別どっち問題だったが、なぜかまた私は「〇〇ちゃんは女の子が好きなの?男の子が好きなの?」とふと聞いてしまった。


もう1人スタッフがいたのだが、少し間が空いて「やっぱりそうですよね…あ、はい…はい。女の子が好きで…。」話を遮るように私は「やっぱり男の子なんやん!」とまたドストレードに言ってしまった。


なぜ、彼がこのタイミングでふわっと話してくれたのかは分からない。でも私はやっと謎が解けた感覚になった。


私が性別を知りたかったのは、備品管理の仕事がめちゃくちゃ下手くそだったから。

日用品を一人暮らしでも女の子は割とちゃんと揃えるので、店の備品管理も上手にこなす。だけど、彼はめちゃくちゃ下手くそだったのだ。男だと分かっていたら、おそらくはじめから頼んでいなかっただろう。



今思うと彼が私に話してくれるまでに2、3ヶ月かかっている。

私にとっては血液型を聞くような感覚でも、彼にとっては大きなことだったんだと思う。


それなのに…

それなのに…

ドストレートに問いかけたり、

巨乳女の胸まで揉ませて。


デリカシーのなさに自分でも思い出すと苦笑してしまう。

ごめん、本当(笑)

本当ごめん。



だけど…

だけど…

巨乳を触ったときはきっと嬉しかったに違いない。



性別なんてどちらでもいいし、恋愛対象もどちらでもいいのだけど、仕事に関しては男女によって向き不向きもあるから、どういう仕事が得意なのかは知りたいなと思う。



だけどもう私もいい大人なので、こんな強引なやり方は本当にもう辞めます。

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